話を“聞く気”にさせるには

人と会話をしたあとスッキリした気分になったり、相手との距離が縮まったように感じたりすることがある。相手の話が魅力的だったときや、逆に自分を理解してもらえたときなどは特にそうではないだろうか。そんな会話のあとは「気持ちが通じた」「話を聞いてもらえた」と感じられ、結果として仕事の成功につながっていることも多い。

ところが人は、人の話を案外と聞いていないのもまた事実。相手に伝えたと思っても実はほとんど通じていなかったり、言葉は通じても逆の解釈をされたりすると、つい「聞いていない」「理解してくれない」と相手を責めがちになる。でも考えてみれば、“相手を聞く気にさせていない”“相手を会話にのせていない”“わかりにくい流れだった”など、自分にも問題があるのかもしれない。

会話は相手とコミュニケーションを取るためのひとつの手段。相手に話を聞いてもらい通じあうためには、“聞き手の気持ちになって感情に訴ええること”と“話の筋がスッと通って論理的であること”が有効だ。

「話すことで得て、話すことで与え、聞くことで得て、聞くことで与えること」が必要だと産業心理学者ジェシー・ニーレンバーグ博士が語るように、会話の基本は“ギブ・アンド・テイク”だ。

たとえばビジネスなら、相手に情報を与え、聞いてもらったことで受け入れてもらった感覚を味わう。もしかしたら契約が成立するかもしれない期待すら抱ける。そのためには相手も聞いたことで情報を得られるなどメリットにつながるように、互いに気持ちよく話して、わかりやすく伝える……そんなところだ。

さて、ラジオ番組の司会者セレステ・ヘッドリー氏は、こうした優れた会話の要素について、「正直に、簡潔に、明確に話すこと、そして適切な量の話を聞くこと」だとしている。その具体的な方法とは、どんなものだろうか。