イライラ、カリカリ……こみ上げる怒りの感情をコントロールするのは難しい。怒りに愛やユーモアを込めることができる人がいる一方、「このハゲーーっ!!」とただ罵声を浴びせるしか芸のない残念な人もいる。両者の違いとは何か。

この人になら「怒られたい」1位はマツコ・デラックス

最近よく聞く「アンガーマネジメント」。怒りの感情をコントロールするための心理トレーニングです。

今年6月、日本アンガーマネジメント協会は、「怒られたい著名人」のランキングを発表しました。これは同協会が、日本全国の10代~60代までの男女1000人を対象に毎年調査しているものです。

5位は天海祐希、4位は北野武、3位はタモリ、2位は松岡修造、1位は3年連続でマツコ・デラックス、という結果になりました(敬称略)。

一見して、ガチで怖い人はいないというか、人情味あふれる人が多いラインナップです。同協会の安藤俊介代表理事も「現代人は“納得できる怒り”、“ポジティブな怒り”、“優しい怒り”を求めている」と考察しています。 

「現代は怒られ慣れていない人が非常に多いです。そこで、怒られるのであれば、優しく怒ってほしいという希望がよく見えた結果になったのではないかと考えられます」(安藤氏)

▼求められているのは「ポジティブで優しい怒り」

周りの人に、今回のリストの芸能人について意見を聞いてみました。

「天海祐希さんは上司として理想的。自分を成長させてくれる怒り方をしてくれそう」(30代女性)

ちょっと前なら江角マキ子さんも入りそうですが、芸能界を引退した経緯を考えると「本当に怖い人」だったのかもしれません。

「北野武さんは本気で怒ったらすっごい怖そう。でも、怒られた側はうれしいと思う」30代女性)
「怒られたら身に余る光栄」(20代男性)

北野武さんに怒られたら、そのあと運気が上がりそうです。

「松岡修造さんは子どものやる気を出してくれそう。単純で熱血だからこそ素直に心に響く」(20代男性) 

たしかにポジティブにマインドコントロールしてもらえそうです。

「タモリさんはどういう風に怒るのか全然予想もつかない」(20代男性)
「タモリさんはふだん怒らないけど、若者と真摯に向き合おうとして、焼き肉の焼き方で激怒したって聞いたことがある。ふだん怒らない人に怒られるのはレアで良いと思う」(30代女性)

タモリさんの激怒は、森脇健児さんが焼き肉店で肉を一度に焼きすぎて「ゆっくり食わせろ!」と怒鳴られた件でしょうか。レアすぎてずっとネタにできそうです。

そして1位のマツコさんについては……。

「あんたの立場もわかるけどさ~って寄り添いながら怒ってくれそう」(20代女性)
「ちゃんと期待に沿った怒り方で、最後には上げてくれる」(20代男性)
「愛があると思う。がんばんなさいよって励ましてくれそう」(30代女性)

といったコメントをもらいました。やはりマツコさんは高評価です。テレビで観ていても、眉が上がっていて顔の肉が震えているから一見怒っているように見えるだけで、発言は怒りというよりも共感性のほうが強いです。怒られても最後は励ましてもらいたい、そんなワガママな現代人が多いのかもしれません。