ドナルド・トランプ、柳井正、孫正義。世界を動かす3人は、ゴルフ、早起き、仕事術という共通する「3つのポイント」があった――。
(1)ゴルフ

▼「ホールインワン」の経験をもつのが大前提

ゴルフはよく経営にたとえられる。自分の実力を理解し、細心の注意を払い、大胆に攻める。「名経営者=名ゴルファー」の法則が、この3人にも当てはまる。

アメリカでは多くのゴルファーが、全米ゴルフ協会(USGA)のメンバーとして「公式ハンデ」(GHIN)を公開している。トランプのハンデは「3.0」(2016年6月1日現在)。過去1年間のスコアは、最高が「-2」、最悪は「+14」。八百長の指摘もあるが、相当の腕前はあるだろう。

米Golfweek電子版によれば、トランプは実業家として世界中で18のゴルフコースの経営にも携わっている。この中には全英オープンの開催コースとして知られる名門「ターンベリー」も含まれている。しかし2015年、主催団体は同コースでの開催見送りを発表。欧米メディアは「たび重なる人種差別発言が理由」と報じた。

トランプ氏が所有するゴルフコースの1つ「Trump National Doral」(米フロリダ州)。2016年のWGCキャデラック選手権では、アダム・スコット(写真)がここで優勝を決めた。(写真=時事通信フォト)

柳井正は「趣味はゴルフ」と公言している。ゴルフ仲間で弁護士の名取勝也はこう語っている。

「『ゴルフをプレーしている時だけ、仕事のことを忘れられる』と、柳井さんはよく言っていました。仕事一途で、朝から晩までビジネスのことを考えている。週末、没頭できるゴルフを楽しむことで頭を空っぽにし、気分転換していた」(「日経ビジネスアソシエ」2014年6月号)

孫正義は、そんな柳井のゴルフ仲間の一人。自宅の地下にはシミュレーションマシンがある。しかも孫が自ら発明した特許技術で、世界中の有名コースを精密に分析し、雨や風も吹くという。

「これで毎日就寝前にワンラウンドし、その結果、名門ゴルフコースであるオーガスタを72のスコアで回れるまでゴルフの腕が上達したという」(三木雄信『孫正義名語録』)

3人はいずれもホールインワン達成者でもある。強運にも恵まれているのだ。