地域の文化を感じられる部屋をプロデュース

【田原】最後に、これからの展開を教えてください。

【矢島】「和える」の仕事は、日本の伝統を次世代につなぐこと。「0から6歳の伝統ブランドaeru」はその中の一つという位置づけで、他にも「伝統×○○」という形でさまざまな事業を展開していこうと考えています。すでに2016年から立ち上がったのが「伝統×ホテル」の「aeru room」。地域の伝統や文化を感じられるホテルの一室を、和えるがプロデュースする事業です。すでに長崎のホテルで始まっており、今年3月には、姫路に二つ目の「aeru room」がオープンします。

【田原】「伝統×○○」には、いろいろな組み合わせが考えられそうですね。

【矢島】今後も、伝統と三時のお菓子、伝統とお酒、伝統と教育、伝統と研究など、少しずつ準備を始めています。楽しみにしていてください。

【田原】わかりました。期待しています。

矢島さんから田原さんへの質問

Q. 次世代に伝統をつなぐにはどうしたらいいですか。

とにかく矢島さん自身が広告塔になって前に出るしかないでしょう。優れた意見や主張があれば、勝手に人に伝わるなんてことを期待してはいけません。たとえばホームページに何か書いただけで満足している人がいますが、それで終われば自己満足です。どれほど優れた文章も、人に読んでもらってはじめて意味を持つのです。

社会にインパクトを与えたいなら、こうやってメディアに露出することも大事だし、講演会や討論会にも積極的に出たほうがいい。僕は多いときで年間100本の講演をやっていました。過激なことを言うから叩かれたこともあったけど、それは伝えたいことが伝わった証しです。矢島さんも気にせずガンガン主張してください。

田原総一朗の遺言:広告塔になることを恐れるな!

編集部より:
次回「田原総一朗・次代への遺言」は、
ライフスタイルアクセント代表・山田敏夫氏のインタビューを掲載します。一足先に読みたい方は、4月10日発売の『PRESIDENT5.1号』をごらんください。PRESIDENTは全国の書店、コンビニなどで購入できます。
 
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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