民主党 岡田克也(おかだ・かつや)
1953年、三重県生まれ。東大法学部を卒業後、旧通産省入省。36歳で衆院議員に当選。93年自民党離党。新生党、新進党などを経て民主党へ。民主党で政調会長、幹事長などを歴任し、2004年5月~05年9月まで代表。現在、民主党の幹事長。


 

5月16日の民主党代表選で鳩山由紀夫代表が就任、29票差の95票に肉薄し、ナンバー2の幹事長ポストとNC国務大臣に就いた岡田克也氏。

岡田氏は代表として2005年の「小泉郵政総選挙」を戦い大敗。責任を痛感し、今回の代表選にも不出馬という憶測もあった。夜の会合を断り、議員宿舎で政策立案に勤しむ生活や、頑なで真面目な性格に対し、これまで周囲からは「堅物」「ロボコップ」と評されてきたが、今回あえて出馬を決断した岡田氏は、「数年前までの演説には、人の心を打つパッションがあまり感じられなかったが、今回の代表選での熱意が若手議員の心を掴み、変わった」(岡田氏を支援した風間直樹参院議員)という。

昨年12月のオバマ大統領との会談は不発に終わったが、米民主党政権との人脈パイプを築き、民主党に厳しい政策評価で批判的だった経団連を含め、財界側とも積極的に交流している。

党内的にも、代表選で支援した党内若手議員一人一人に自らお礼の電話を入れ、地方での応援演説にも足を運び、「孤独」との悪評も払拭しつつある。

昨年6月に上梓した『政権交代』(講談社)には政権交代への思いが強く綴られているが、最近では「麻生首相が総選挙直前に総理を降りた場合の自民党の総理候補への対抗馬」「政権交代後の財務大臣」という評価を得る。

しかし、最大の難点は、やはり人気と融通性のなさ。先の『政権交代』では、岡田氏は対照的だった小泉元首相に対し、「真面目であることが評価されない政治がよい政治なのかと、私は心底思う」と批判。今回の代表選挙戦中、マスコミに「民主党を分裂させようとしている」と食ってかかる光景も。人心収攬の点で、岡田氏がどこまで国民の心を掴めるかが焦点だ。