通勤地獄が人の幸福度を確実に奪っている!

続いてワースト5を見ていきましょう。

ワースト1位は、朝の通勤です。家と職場とを往復する長距離の通勤は、人間の幸福を著しく害するということです。つまり、郊外の大きな家を買っても、長時間通勤することは幸福に繋がらないということですね。

仮に、以前より大きい家に住んだとしても、人はその環境にすぐに順応してしまいます。しかし、通勤による不快感に人間は順応することができません。これは、通勤し続ける限り、ずっとついてまわる不幸な行動です。

であれば、お金を投じてでも高い都心の賃貸物件にするか、余裕があれば都心の高額物件を購入するほうがいいということかもしれません。

チューリッヒ大学のブルーノ・フレイと、バーゼル大学のアロイス・シュトゥッアーがドイツの長期的データから算定した数字によると、通勤に23分かかる人は給料を19%余分にもらわないと、通勤ラッシュによる不快感やストレスを埋め合わせができません。これが東京のような人口過密地帯の痛勤であれば、19%どころの話ではなくなるのは間違いありません。

にもかかわらず、人は住居を選ぶときに通勤時間の与える苦痛について過小評価しがちで、この不快感を与える通勤にますます多くの時間を使うような傾向があると言います(「通勤パラドックス」)。

自分の生涯獲得所得と19%の差を考えれば、都心に住むことが大きな金銭的投資になるとしても、十分意味のあるケースもあると思います。