仕事がデキる人は常に全力疾走しない。ほどよく力を抜く。その代わり重要案件にはフルパワー。緩急つけられぬ人は体力消耗するばかりだ――。

デキる人はみんな仕事に「緩急」がある!

メール返信、申請書への書き入れ、交通費精算、会議の開催準備……。

このようなルーティン業務に私たちは案外大きなエネルギーを投入しています。仕事で成果を高めるためには、「力の入れどころ」「力の抜きどころ」を見極めて、より大切なことにエネルギーを集中したいところです。

そこで、なるべく省エネで仕事が済む仕組みづくり「TMC」をご紹介したいと思います。

TMCとは、
T=テンプレート(雛形)
M=マニュアル(手順書)
C=チェックリスト(確認項目)

の略です。

この仕組み化、言ってみれば“仕事の3種の神器”を使いこなすと、私たちは集中力を無駄に消耗することがなくなります。

(1)ゼロから考えるのは、時間の無駄

私たちの脳にとって最もエネルギーを要するのが、ゼロから物事を考えることです。仕事をゼロから考えるためには、作業の全体像を思い出し、分解し、ステップを分けて、実行します。さらに漏れがないかどうかをチェックするという工程が発生します。手間暇がかかります。

「会議の開催通知のメール」をする、という想定で考えてみましょう。“全くゼロから考える”と、まず、どのような文の構成でメールを打つか考えるところからスタートしなければなりません。会議開催の目的、ゴール、日時、内容、メンバー、アジェンダ……。書きながら、「あっ、そうそう、○○さんも宛先に入れなきゃ」などと通知先を追加する作業も出てきそうです。

本来、このような会議は毎月のように繰り返し開催されることが多いです。にもかかわらず、その通知作業の段取りが悪いと時間を無駄遣いしてしまいます。それだけではありません。

貴重な脳のエネルギーを大量に消費してしまうのです。結果、大切な仕事にエネルギーが注げず、最悪、先延ばしをすることになります。

脳を効率的に働かせるには、「ゼロから着手することをなるべくなくす」ことがポイントです。そこで、TMCの仕組みが役に立ちます。