ハードとソフトは相互作用

先日、昔の同僚とオフィスで仕事をしていると、途中でタイマーがなり「会議に行ってきます!」と中座していった。その後ランチミーティングがあり、次に1時からは別の会議……。出世頭の元同僚は、日々会議の連続で休む間もないようだ。

「生産性は落ちないの?」と聞くと「そりゃあもう、落ちっぱなし」と。それでも出席しなければならない会議とは、どれほど重要なものかというと、「その間営業に出たほうがいいくらい」なのだそうだ。

企業内では、複雑な命令系統があるなど、自分が出る意義など明らかでなくても出席する必要性に迫られる。ときには連絡事項があるかもしれず、相互連携をはかれるかもしれないが、何よりも「とにかく出なくてはいけない」のだ。

コンサルタントのイブ・モリューは、「仕事の効率を高める解決策はずばり、相互作用にあります。どのように協働するか、と言っても良いでしょう」としている。そこにあるのは会議のようなソフトばかりでなく、根本的な組織といったハードも含まれていた。

・ハード:組織・プロセス・制度など
・ソフト:人間関係・感情・性格など

まずは会社組織を整えて、そこで働く人たちの環境を考える……。ところが、この2つを別々にとらえることは、さほど有効ではないという。

たとえば、ハードを改善しようとすれば、結局は組織を変え、より複雑な命令系統をつくることになるだろう。たとえば、ある問題点を解決しようとして新たな担当をつくり、さらに複雑な組織になる。それでは、何も解決しない。

「一人一人がどうつながり、どうシナプス結合するかです」(モリュー)

骨格の問題ではなく、簡単にいえば「協力が必要」というわけだ。こうした協力体制をつくるために、モリューはこんなルールを提唱する。