立って考えれば思考スピード33%アップ!
集団で話しあうことで、本来は巡りあえなかったかもしれないアイデアが生まれ、意志疎通がはかれるかもしれない。ところが今度は、意見の一致を重視するあまりに、間違った決断をしたり、逆に決定がくだせなかったりということも生まれる。心理学では「集団思考とは、まとまりが強い内集団で、意見の一致を重視するあまり、取り得る可能性があるすべての行動の現実的な評価を無視する思考様式である」とされる。
こうした中で、集団であるからこそ極端な方向へ思考が偏っていく現象も見られる。たとえば多数決でより安全な方向へ考えが傾いたり(コーシャスシフト)、より危険な方向に変化する(リスキーシフト)こともある。集団だからいい考えが生まれるとは言い切れず、ときには決定の質が落ちたり、過ちを犯したりすることもあるという。
全面的にいいことばかりではなく、さらに時間もロスし、作業効率も落ちることがある。だから、ミーティングではこんなことを気に留めたい。
1.既に決定した事項のサポートのために会議をする。会議を決定の場にしない。
2.会議で成果に通じる行動プランを出す
3.情報共有の場ではなく、すでに互いに知ったことを突きつめる。
ある実験では「会議室が狭いほど、活発に意見がでる」「座るよりも、立って考えを出すと思考のスピードが33%あがる」という結果が出ている。これによれば、「狭い部屋で、立ちながら会議する」のが、一番効率よいと言えそうだ。
そして、自分が出席すべき会議は「できれば、今回の出席すべき理由をお聞かせください」とたずねるべきだろう。メール1本ですむかもしれないことに時間を費やさずに、本当に大切なことにもっと時間をかけたい。仕事の効率を上げるには、ムダをなくしてシンプルが一番なのだから。
[脚注・参考資料]
Yves Morieux, As work gets more complex, 6 rules to simplify, TED Oct 2013