▼俣野成敏さんからのアドバイス

不本意な仕事を命じられたとき、達人の方法論は典型的な日本企業でも有効なのか。『プロフェッショナルサラリーマン』の著書がある俣野成敏氏によると、コツは「撲滅」「パッケージ化」「工夫」の3つのステップにあるという。

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やるべきことを徹底的にやることが大切

「大企業には形骸化して不要になった仕事が放置されているケースも少なくない。撲滅できなかったら、必要な仕事ということです。ただ任せられるなら、手放したほうがいい。それには業務を簡単に引き継げる状態にする必要があります。これがパッケージ化です」

じつは撲滅やパッケージ化の前にもう1つ、重要なことがある。

「自分でやって全体像をつかむこと。そうでないと引き継ぎのマニュアルをつくることもできません」

撲滅やパッケージ化できなかった仕事は再び自分でやるしかない。だが、ここまでの過程で仕事に対する理解は深まっている。

「その結果、工夫の余地が見えたり、その仕事の新たな魅力を発見するなど、いずれにしても仕事に向き合う姿勢が変わっているはず」

上司は、その姿勢を見ている。

「それにより次のチャンスがくる」

こうして俣野氏は、東証一部上場老舗メーカーで、リストラ予備軍から「最年少顧問」となった。

(図版※注:gooリサーチとプレジデント編集部の共同調査により、「時間とお金」に関するアンケートを、2011年11月15~17日の期間で実施。個人年収500万円台と1500万円以上のビジネスパーソン計613人の有効回答を得た。)

(構成=村上 敬)
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