※本稿は、俣野成敏『サラリーマンを「副業」にしよう』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
「技術をウリにした副業」は実は難しい
前回のお話の中で、「オススメする副業とは、個人事業を始めること」だとお伝えしました。個人事業を始める人を大雑把に分けると、2つのパターンに分けられます。それは、「手に職をウリにして起業するか?」それとも「営業力で起業するか?」のいずれかです。こういうと、多くの人は「手に職で起業したい」と考えます。
サラリーマンが、手に職をウリに副業を始める際に、気をつけなければいけないのが「今いる会社との競業」です。ほとんどの場合、専門技術を身につけるのは、会社の仕事を通じてのことが多いため、副業を始める時は、会社で培ってきた技術やノウハウを流出させないよう注意しなければなりません。
会社と競業してしまう状態とは、たとえば
・CAD設計会社に勤めている人が、設計技術を使って同じ業界で起業
・マッサージ店の店員が、仕事で身につけた技術を使って開業
・ラーメン店のスタッフが、お店の秘伝レシピを使って自分の店を開く
・セールスマンが、会社の取引先から商品を卸してもらい、個人でも販売
といった例です。
意外に、独立する人で、会社と競業してしまう人は多く、中には自分が担当していたお客さんを連れて独立してしまう人もいます。しかし、業界は狭いので、たいていはどこからともなく噂が伝わってしまうものです。
副業・独立にかかわらず、ビジネスをしていく上での最大のポイントは「自分のお客さんを見つけられるかどうか?」です。初めからセールスで起業をしようと思っているのであれば、後はよい商材を見つけるだけでいいでしょう。
しかし、技術で起業しようと思っているのであれば、今いる会社との競業を避けることが大切です。方法としては、前回お話しした「顧客の再定義をすることで、お客さんを換える」ことなどが挙げられます。