俣野成敏●東証一部上場メーカー上級顧問。1971年、福岡県北九州市生まれ。93年東証一部上場の大手精密機器メーカー入社。会社の赤字転落が原因で30歳にてリストラ候補となる。そこで一念発起し、在庫処分を担うメーカー直販店を社内起業。坪当たり売り上げでトップ級の経営効率を達成。年商14億円の無借金企業に育てる。2004年、世界130社グループの最年少役員に抜擢される。

発売1週間で3刷りと販売好調の『プロフェッショナルサラリーマン』著者の俣野氏にその「大逆転人生」を可能にした仕事術について聞いた。

大学卒業後、誰もが知る東証一部上場企業に入社するも、わずか30歳でリストラ候補に。しかしその経験をバネに社内ベンチャー制度に応募し、新規事業を年商14億円企業にまで育て上げ、グループ企業における現役最年少役員にまで這い上がった人物がいる。それが『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社刊)の著者、俣野成敏氏だ。彼は当時を次のように振り返る。

「リストラ候補になる前の僕は、言われたことさえこなしていれば定年まで会社にしがみつけると思っていた。いま思えばアマチュアでした。でもリストラ勧告を受けて目が覚めた。これからのサラリーマンは、プロでなければ生き残れないんです」

いま20代から30代の若手には、自分のような遠回りをせず、最短距離でプロフェッショナルになってほしい。そこで自身の持つノウハウをすべて注ぎ込んだのが、俣野氏のデビュー作『プロフェッショナルサラリーマン』。俣野氏の言うプロフェッショナルサラリーマンとは何か。

「一言でいえば、会社を辞めずにサラリーマンであることの特権を120%生かして、やりがいのある仕事をしている人のことです」(俣野氏)

いまは自分のやりたい仕事をするには起業するのが一番、という風潮がある。しかし起業して成功できるのはほんの一握り。それよりもまずはプロフェッショナルサラリーマンを目指すほうが先だと俣野氏は言う。

「そもそも起業して成功する人は、会社員時代からズバ抜けて優秀だった人ばかり。独立するとき、頼むから辞めないでくれと言われたような人がほとんどです。だからまずは仕事ができる人、つまりプロフェッショナルサラリーマンにならなければならない。プロになれば、どこへ行っても食っていけますから、そのまま会社で働き続けるもよし、起業するもよし、会社と契約して前例のない働き方をするもよし。さまざまな選択肢が手に入るということです」