即効メールを簡潔・シンプルに
アメリカに住む友人たちがメールをくれるとき、その中身には決まった構図がある。それは「まずは用件」から入ることだ。これは英語で文章を書くときの基本ながら、それ以上に忙しいから用件ですませたいのが一番の理由だろう。
内容も、「いつ日本にいく」「いつなら時間がある」「食事でもどうだろう」の3行程度。3行あったらいいほうかもしれない。一見そっけないものの、短いぶん要点がわかりやすく返事も書きやすい。たとえPCメールでも、I can make it.「行けますよ」、Looking forward to it.「楽しみにしています」程度でいい。英文のビジネスメールは、このように日本人のメールよりも簡単なことが多い。
形式もさして気にせず、携帯での入力のときには「I」の変換が面倒なら「i」のままだし、「’」アポストロフィも面倒ならid like toというときもある。通じさえすればこれで十分だ。慣れない相手とのPCのやりとりでここまでは難しいとしても、つまりは難しくとらえずに、シンプルに伝わればいいだけ。そう考えれば、ビジネスとはいえ肩の力を抜いて、メールだって短時間ですませられるだろう。
英文メールを簡単に書くコツは、「できるだけ簡潔に」「一目でわかる内容に」すること。次の3つのポイントを書き出してからメールにまとめると、伝えたい内容がスッキリと見えてくるだろう。まずは、拙著『パッと探して、すぐ書ける! 英文ビジネスメール モノの言い方辞典』の中から、「型」を作って時短する術をお伝えしよう。
伝えたい用件でシンプルに文章を組み立てるために、次の3点を日本語で書きだしてみる。
1.今の状態(起・今どうか)
2.希望と対応(承・どうしたいのか)
3.解決策の提示(結・確認・連絡のお願い)
文章にすると、たとえばこんな風になる。
1.<状態>
I haven ’t received your proposal yet.(企画書をまだうけとっていません)
2.<どうしたい>
I need it by Friday the 15th.(15日金曜日までに必要です)
3.<解決策>
Would you make sure to send it by tomorrow?(明日までに送っていただけますか?)
いたって簡単だ。とは言っても、英語になれば表現を考えてしまうかもしれない。まずは、内容をボヤけさせるあいさつは抜いて、難しい単語も使うことはない。イメージするべきは、たとえば忙しい人がスマートフォンでパッと見て内容がつかめるようにすること。これが相手の注意をひき、返事をもらうために大切になる。
自分が言いたいことや書き方には、日本語でもおおよそのパターンがあるだろう。だから、いつも自分が使う「型」をつくって、言葉を入れ替えれば簡単だ。では、今度はフレーズのパターンを見ていこう。