意識して単刀直入に書く

気の利いた言い回しや高度な単語を使わなければ洗練された英文にはならない。もしかして、そう思い込んでいませんか?

英語で「美しい」とされるのは、伝えるべきことがストレートに表現され、誤解を招く余地がない文章です。したがって、英語に自信がないならなおさら、美辞麗句を並べるより、必要なことだけを簡単な英語で綴ることに心を砕きましょう。そのほうが、相手に「仕事ができる人」という印象を与え、信用を得られます。

また日本人は、相手を気遣う言葉をちりばめるのが礼儀と考えますが、英語では物事をはっきりと伝えるほうが、むしろ「思いやりがある」と評価されます。特に悪いニュースを伝えるときほどそうです。日本人は「ご相談があります」などと遠回しに言いがちですが、英語では具体的に問題を伝えないと、相手は「なんの話だろう?」と気をもんで、結局問い合わせることになります。そのぶん相手に余分な時間を使わせたことになるのです。

英文メールに不慣れな人は意識して単刀直入に書きましょう。ぶっきらぼうに感じるくらいでちょうどよいです。日本語に引きずられて直訳しているかぎり、美しい英文にはなりません。思い切った発想の転換が必要です。

【×BEFORE】外国人には伝わらない「NG」メール

(1)「おもてなし」は不要
定型の挨拶や、「お忙しいところ」「お手数ですが」「恐縮です」などの日本的な気遣いは、外国人には理解してもらえない。すぐに本題に入ること。

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英文メール添削 BEFORE→AFTER

(2)具体的に書く
英語で用件を伝えるときは、その中身を明記しなければならない。「SAMPLE-01に欠けが見つかった」のように、具体的に示すべし。

(3)日本語を直訳しない
「検討する」を辞書で引くとconsiderなどが出てくるが、そのまま直訳しても通じない。「~までに~してほしい」と置き換えてから英文を作る。

【○AFTER】スッキリ「OK」メール

(1)IではなくWeを使う
社外の相手に対しては、組織を代表してやりとりしているので、IではなくWeを使うのが原則。

原賀真紀子
ジャーナリスト。東京工業大学非常勤講師。米・ノースウエスタン大学ジャーナリズム大学院修了。主著に『「伝わる英語」習得術』。
 
(原賀真紀子=図版作成)
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