1通のメールが、人間関係を好転させることで仕事がはかどることもあれば、その逆もある――。

「メール術」に関する著作を持つ杉山美奈子氏に、メール文の内容以前に身に付けておくべき基本作法をあげてもらった。

「大事なのは、読む側の立場に立ったメールの書き方をすることです。例えば、同じ内容を伝えるにしても、すべて文章で書くより、要件を個条書きしたほうが、読んだときポイントがつかめます。よほどのことでない限り、短くまとめ、相手がスクロールしなくてすむように配慮する。文章の良しあしにこだわるよりも、マメに素早く返信する、といったことも相手思いのメールと言えるでしょう」

メール作法の有無で仕事がデキる人か否かは見当がつくのだ。

ルール01 TO、CC、BCCを使い分ける

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ルール01 TO、CC、BCCを使い分ける ルール02 機種依存文字は使わない

宛先(「TO」)には複数人を指定できるが、このとき、名前の順番に注意が必要だ。相手企業の肩書の上の人から順に書くなど、配慮が求められる。「CC」は打ち合わせに欠席したような人に送れば情報を共有できる便利な機能だが、本文冒頭の宛名部分に(CC:○○様)と記入するのがルール。「BCC」は他の受信者にアドレスを知らせたくない場合に使う。

ルール02 機種依存文字は使わない

文字化けは、ウインドウズやマックなどパソコンのOSに搭載される文字コードの違いによって起こり、機種依存文字・環境依存文字などと呼ばれる。丸囲み数字やローマ数字などがその例で、自分のパソコンでは正しく表示されても、相手先でもうまく表示されるとは限らない。よって、ビジネスメールではこうした文字を使わないのが暗黙のルールである。

ルール03 件名は明瞭に20文字程度で

ケース1の×の事例は曖昧かつ漠然とした「ですます調」の件名で、なおかつ本文の内容がイメージしづらい。件名は20文字程度を目安に「3月10日より異動のご報告」「3月10日会議のご連絡(○○株式会社△△)」と言い切る形がベスト。また必要であれば件名冒頭に【緊急】【重要】とすると効果大。

ケース1

× 来週の会議のタイムテーブルをお知らせします
 3/10企画担当者会議のタイムテーブル(予定)

ケース2

× ご確認ください
 資料(3月10日分)のご確認のお願い