音声入力が便利になるには、ハードにもソフトにも進歩の余地がまだまだある

『話すだけで書ける 究極の文章法~人工知能が助けてくれる~』(講談社)。実際に野口氏が音声入力で1冊書き上げた本で、スマートフォンを使った音声入力の方法について、より詳しく語られている。
――とはいえ、今のレベルでも、音声入力で頭の中のアイデアが可視化できるのは非常に助かります。

【野口】そうです、例えば3000字の原稿を書くという場合、アイデアを可視化してみれば、500字にしかならないのか、6000字にもなってしまうのかが分かります。

――それと、早くiPhoneが防水になればお風呂で音声入力ができるのに、と感じます。防水は水回りでの作業が多い女性にニーズがあるでしょうね。音声認識は何か作業をしながら入力できるので、作業現場などで使いたいというニーズも出てくるかもしれない。そういう意味でも防水は良さそうです。Androidスマホには防水機種がいくつか出ていますが。

【野口】風呂でアイデアを記録するニーズは存在しますね。私も風呂で使える紙を探した事があって、子どもが使う「お風呂でお絵描き」のようなおもちゃを採用しようかと考えていたら、ある人が「お風呂程度ならボール紙でいいじゃないか」と助言してくれたのでそうしていました。それから、医師に「どうやって手術中にメモを取るのか」と尋ねたことがあります。すると「終わってから急いでメモする」と言うので、スマートフォンで音声入力という方法があると教えたら、歓喜していました。

――「スマホで音声入力」が普及すると、いろいろなことが変わりそうですね。

【野口】今後、仕事のやりかたの変化に適応して、ハードやソフトの側も問題への解答を出し、より使いやすく変わっていくのでしょう。デバイスやサービスの側も、仕事のやり方に伴って、進歩していくことが重要です。

(河崎 環=構成)
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