音声入力で、スマホを存分に使いこなす
――検索も音声入力が便利とのことですね。他にもスマホの音声入力で便利にお使いになっている機能はありますか。
【野口】音声入力で、スマートフォンでの検索が非常に楽になりました。電車に乗るときも、かつては時刻表をいちいち見ていましたが、今はスマートフォンで、しかも検索ウィンドウなど開かずに、Siriなどを使って音声で検索した方がはるかに早い。アラーム機能もいいですね。これまでスマートフォンの目覚ましは時刻合わせなども面倒でしたが、今やスマホに向かって「何時に起こして」と言うだけで済みます。
メールを書くのも非常に楽ですよ。家族宛のメールなら、音声入力で少々の誤変換があってもゆるされます。あとは“謝罪”と“断り”のような、あまり書きたくない、放置しがちなメールにはとても適しています。断りとは、論理明快に断ってはいけないのです。音声でできるだけ長く入力し、文面では一見何を言ってるかわからないけれど、よく読めばどうも断っているらしいとわかる程度がいいのです(笑)。
スマートウォッチを入力装置にしてほしい
――そういえば、今の若い世代は、通話以外にもよくスマホに向かって喋っている印象があります。スマホを水平に持ってマイクのあたりに話しかけているのですが、これはLINEなどで音声入力を使っているようですね。
【野口】スマートフォンを入力装置として使っていなかったという意味で、私は旧世代に属していました。固定回線でつないだパソコン上で、キーボードを用いて検索やメールや原稿執筆などの仕事をすることに慣れていたため、画面が小さくてキーボード配列でもなく、入力しにくいスマートフォンは“見るもの”だったのです。それが今は、音声入力を始めることで出力デバイスから入力デバイスへと変化しました。今度は、携帯のフリック入力世代がもっと若い音声入力世代に遅れを取っている。中国語は入力が難しいのか、中国社会では音声入力の普及が早いように思います。ですから、Apple Watchに音声入力機能があると、もっといいですね。
――確かに、AppleやGoogleのスマートウオッチが音声入力に対応したら、スマホに話しかけるよりもよほど便利だと思います。
【野口】まだ検索止まりで、Apple Watchで長文を書くという発想がない。もっとインターフェースを改善してほしい。