今夏、リオ・オリンピックで繰り広げられる熱い戦いに引っかけて、軍事、ビジネス、歴史に関連した戦略関連本を4冊、ご紹介する。

マンガで学ぶ経営戦略

『エドワード・ルトワックの戦略論』(エドワード・ルトワック著/毎日新聞社)、『マンガ経営戦略全史』(三谷宏治著/PHP研究所)

まずは、『エドワード・ルトワックの戦略論』(エドワード・ルトワック 武田康裕 塚本勝也訳 毎日新聞社)。世界の戦略の碩学の指摘は、戦略自体が必然的にはらむ矛盾を描き出していて、いちいち刺激的で面白い。世界の紛争地域が平和にならないのは、外部からの人道救援活動や、国連の平和維持活動が大きな原因になっている……といった記述には、現代が直面する問題の奥深さを感じざるを得ない。

続いて、経営のジャンルで『マンガ経営戦略全史』(三谷宏治 PHP研究所)。「どうせベストセラーの漫画化でしょ」などといわず、単行本を読まれた方にも一読をお勧めしたい。漫画化されたことで、より俯瞰的に経営戦略の全貌が明らかになり、単行本とはまた違う気付きをいくつも与えてくれる。マネジャー論の大家、H・ミンツバーグを落語家に、世界的なデザインファーム、IDEO(アイデオ)のティム・ブラウン、ケリ-兄弟の三人をダチョウ倶楽部にしてしまった漫画家さんの切れ味にも脱帽。