これは仮説思考による見事な再生事例だと思います。年配の女性の受けがいいことは旅館のスタッフも感覚的に捉えていたのでしょうが、それを顧客データという形で定量的に分析した結果、経営資源のメリハリをつけていないという問題が浮き彫りになりました。そして、「年配女性にフォーカスすべきではないか」という仮説にたどりついたわけです。

再生のプロである星野社長の頭の中には早い段階からそうした仮説があったのかもしれませんが、コンセプトづくりには現場の“共感”が重要であり、再生の推進力になるという考えから、仮説思考の手順を誰の目にも見える形で踏んだのだと思います。

(構成=小川 剛)