3倍速の秘訣は「方法論」と「類推」

<strong>斎藤英明</strong>●ボストンコンサルティンググループパートナー<br>東京大学法学部卒。スタンフォード大学MBA。農林中央金庫等を経てBCG入社。金融、IT業界に対する全社戦略策定、組織・人事制度の再構築等のプロジェクト経験が豊富。
斎藤英明●ボストンコンサルティンググループパートナー
東京大学法学部卒。スタンフォード大学MBA。農林中央金庫等を経てBCG入社。金融、IT業界に対する全社戦略策定、組織・人事制度の再構築等のプロジェクト経験が豊富。

「なぜ、そんな解決策がそんなに早く出てくるんですか?」

はじめて一緒に仕事をしたクライアント企業の方から、そう尋ねられることがよくある。もしかしたら思いつきで解決策を提案しているのではないか……。この質問にはそんなニュアンスも含まれているのかもしれないが、もちろんそれは違う。

われわれが提言する解決策の背景には、論理的に思考するための方法論と、類似した課題における経験値、加えて解決策の効果を検証するプロセスがあり、何も裏付けのない思いつきとは精度が異なる。

論理的思考の方法論とは、さまざまな考え方のフレームワークのことであり、経験値とは個人だけでなくグローバル規模でファームに蓄積された経験をも含んでいる。

また、同じ業界だけでなく「このケースはあの業界の事例と同じ構造になっている」というように、他業界の経験をアナロジーとして活用できる力も経験値の一部である。

コンサルタントは知識を切り売りする商売と思われることもある。もちろん担当する業界やビジネスの知識を身につけなければコンサルティングはできないが、知識だけで問題解決を行うのではない。

それはいったいどのようなものか。事例を使って説明しよう(ただし、説明しやすくするために事例の設定や状況は実際とは変えてある)。