2つ目は、自分が相手に興味を持っていることを伝えることです。お客様とお会いするとき、私は事前準備を入念にします。特にその方のバックグラウンドに重きをおいています。

法人のお客様にお会いするとき、同行する担当者には、事前にメモを作らせます。これまでの訪問記録はもちろん、お客様の経歴、趣味、家族構成、飼っているペットの名前、喫煙の有無……できる営業担当者のメモにはこうした情報が盛り込まれています。

このメモをもとに、「半年前の○○の会合でお会いしましたね。あのときのトラブル、解決しましたか」とか「ミニチュアダックスのメルちゃんは大きくなりましたか」と会話を切り出す。こちらが覚えていたことに、相手が驚かれることもあります。たったひと言が人間関係をスムーズにするのです。

3つ目は、相手を好きになることです。誰しも苦手なタイプはいるでしょう。でも、こちらが苦手意識を持っていると、声の調子や仕草で相手に伝わってしまいます。私は苦手なタイプの人に会うとき、「この人のことが好きなんだ、俺は好きなんだ、俺は好きなんだ」と、3回念じてから臨むようにしています。思い込みや先入観は捨てる。相手に「好きだ好きだ光線」を出すことで関係は好転します。

カタカナをやめ、平易な言葉を繰り返す

これまでの経験から、担当者一人ひとりがお客様と対話を重ね、信頼される大切さを実感しています。お客様といい関係が築ければ、企業としても成長できる。そう確信しています。

2012年に社長に就任し、国内営業のビジネスモデルを変革すると決めました。従来の営業スタイルは、こちらの売りたいものを一方的に勧めるというもの。これをあらため、お客様個々人のニーズに合わせ商品を提案する方向に舵を切ることにしました。

まずは私の決意を全社員に浸透させるため、ある支店の社員100~200人を大ホールに集め、話をしました。最後に質問を受けつけたのですが、一向に手が挙がらない。ようやく出てきた質問も、気持ちが入っていない。社員が「腹落ち」していなかったのです。