20代女性は推奨量の「半分」しか食べてない
それでは、現在、日本人は野菜をどれくらい摂っているのでしょうか?
ズバリ、答えは242gです(平成25年国民健康栄養調査、中央値)。年代が上がるほど健康への意識が高まるためか、野菜の摂取量は多くなっていますが、それでも350gにはまだまだ手が届きません。
目を疑いたくなるのは、20代女性の平均189gという量です。
現在、若い女性のやせ過ぎが健康問題になっていますが、ダイエットに励む女性は、美しくなることではなく、体重計に出る数字を小さくすることを目標にしているのかしら? と悩んでしまいます。
「生野菜サラダを毎日たっぷり食べているから私は大丈夫」と思っている女性は、山盛りの生野菜を電子レンジでチンしてみましょう。思いのほか、量が少ないことに驚くことでしょう。
では、野菜の摂取量を増やすためにはどうしたらいいのか。
煮物やお浸しのように「加熱した野菜」が一番です。ちなみに、日本で最も野菜を多く食べているのは長野県民で、男性が378g、女性が365g。男女ともに“日本一の長寿”であるのも、納得できる量ですね。
野菜不足対策(1)“おふくろの味、切り干し大根煮“で野菜不足対策
OLさんが手にした煮物パックはおよそ小鉢1杯分(60g前後)。材料の切り干し大根は15g前後ぐらいでしょう。切り干し大根は生大根を重量ベースで約1/10に乾燥させたモノです(写真2)。
大ざっぱに言えば、OLさんは、この日、生の大根150g前後に相当する量を食べたことになります。もちろん、乾燥過程でビタミンの一部が失われるため、切り干し大根15gで生の大根150gの栄養分を全て摂れるわけではありません。
けれども、乾燥過程で失われない食物繊維やミネラルは十分に価値ある量を摂ることができます。
たとえば切り干し大根1人分(15g)で、
鉄0.5mg(プルーン5個分)
カルシウム81mg(ヨーグルト小カップ約1個分)
食物繊維3.1mg(レタス中ぐらい1個分)
カリウム480mg(バナナ2本分)
が摂れます(次ページに写真)。
野菜不足が気になる人にとって、切り干し大根は救世主的存在になるかもしれません。切り干し大根は1袋(30g前後)が100円ぐらいで、常温で保存できる食品。食べない手はありませんね。