対日政策は、真意不明vs無関心

不動産王、ドナルド・トランプ氏が共和党の指名獲得を確実にした。11月の米大統領選で民主党の候補者指名が有力視されるヒラリー・クリントン前国務長官との直接対決が実現する見通しだ。世論調査で両者の支持はほぼ拮抗しており、大接戦になる可能性もある。日本政府はどちらが次期大統領になっても対応できるよう検討に入っているが、その舞台裏には憂鬱感がつきまとっている。

勢いが止まらないトランプ大統領候補。(時事通信フォト=写真)

数々の刺激的な発言から「暴言王」と称されるトランプ氏。すでに世界各国から要注意人物と見なされているが、次期米大統領に就任すれば、もっともその影響を受けるのは日本だ。トランプ氏は在日米軍撤退の可能性に言及し、日米安全保障条約を「片務的だ」として安保条約改定も求めている。ある外務省幹部は「半分はブラフにしても、危険人物であることに変わりはない」と警戒心を隠さない。