S&Pのギリシャ国債格下げが危機を拡大させた。(写真=PANA)
格付会社は純粋な民間企業である。ムーディーズはニューヨーク証券取引所の上場企業で、S&Pは米国出版大手マグロウヒル社の傘下にある。しかし、「格付機関」という公的色彩があるような呼び方をされることがある。これは、「日米円ドル委員会」で日本側の交渉官を務めた大場智満大蔵省財務官(当時)がcredit rating agencyという英語を最初に「格付機関」と訳したためかもしれないと、大場氏自身が雑誌のインタビューで語っている。
格付けには様々な種類がある。1年以下(格付会社によっては、1年“未満”)の債務の信用度を示す「短期格付け」、それよりも長い債務の信用度を示す「長期格付け」、金融機関の預金払い戻し能力を示す「預金債務格付け」、保険会社の保険金支払い能力を示す「保険金支払能力格付け」、サービサー(債権回収業者)の業務遂行能力を示す「サービサー格付け」などだ。したがって「格付け」というときは、どういう種類の格付けを意味しているかを理解することが前提になるが、企業や国の「格付け」というときは、通常、「長期格付け」を意味している。
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