海外市場の攻略法

そして、この連携とともに積極的に展開しているのが海外市場の攻略だが、三菱電機の場合、BtoBビジネスが多いため、M&A、現地生産ともに独自の戦略をとる。

まずM&A戦略について見ていこう。空調事業は単一ビジネスで見ると、社内で最大の売り上げ規模を誇る。2015年度で7200億円。これを2020年までに1兆円にする方針だ。そこで力を入れている市場が欧州である。欧州ではエアコンの冷媒への環境規制が世界で最も進んでおり、需要も旺盛だ。

そのため昨年、過去最大のM&A案件として、イタリアの空調メーカーのデルクリマ社を約900億円で買収した。この買収には欧州市場攻略のため製品ラインアップの拡充を図る狙いがあるが、三菱電機ではこうしたM&Aにも独自の基準がある。

「買収候補となるのは、まず我々が持ってない“ミッシングパーツ”(欠品)の補完になる技術や製品を持つ企業です。2つ目は販路や調達などのサプライチェーンの確保ができる企業。そして3つ目は、優秀な人材を手に入れられるような企業。このような3つの視点でM&Aによる成長戦略を考えているのです」(杉山氏)

(原 貴彦=撮影)
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