セイコー、シチズン、カシオの国内時計大手が業績好調だ。彼らは、高級腕時計市場を支配するスイス勢にどう対抗したのか? 「技術のシチズン」と呼ばれてきた生真面目なメーカーの変身物語。

中国人が銀座で高級時計を爆買い

東京・銀座7丁目の中央通りに面したラオックスの大型免税店。次々に到着する観光バスから降りてくる中国人が、吸い込まれるように店内に入っていく。

入り口脇の特等席にシチズンの時計コーナーがあり、カウンターをはさんで客と店員とのやり取りが繰り広げられる。「手前のを取って」「その隣のも」――客の指示を受けて店員がケースから時計を取り出すや、説明もそこそこにあっという間に買われていった。中国出身のシチズンの営業マンは、日々の様子をこう話す。

「一度に5、6個の時計を買う人はザラですね。5万円ぐらいまでの、ソーラー発電機能エコ・ドライブを搭載した機種などが人気で、これらは親戚や友人へのお土産用。自分用には10万円の上位機種や、エコ・ドライブに加えて衛星電波受信機能も付いた20万円の最高級モデルを買い求められる方が多いです」