「うますぎる話」に飛びつくと痛い目をみる
ただし、このような地銀のローンは銀行にとってリスクの高いサブプライムローンのようなものだから、金利は4%以上になることが一般的で、ほとんどの場合、マイナス金利や低金利の恩恵はない。しかし、高い金利でも30年以上の長期ローンにすれば、毎月の支払い額が小さく見えるため、購入者の方は高金利に気づきにくい。
融資する地銀の視点で考えれば、マイナス金利政策で収益が厳しい時期に、融資先と不動産担保を同時に見つけることができ、かつ高い金利収入を得る事ができる、「おいしい取引」ということになる。しかし、購入する側が、「借金は賃借人が返してくれる」などという言葉を鵜呑みにするのであれば、購入する側にとっては明らかに危うい取引だ。
現在、日本の地価は一極集中型となっており、不動産価格は二極化している。都市部の中心とは違い、地方での賃借需要は実際には少ない。そこで古い物件を買っても、期待されるような収益はまず得られない。
これらはあくまで一部の事例であり、不動産投資セミナーそのものを否定するつもりはない。しかしながら国内不動産業界では、4月に入ってからこうしたセミナーを後押しする地銀の数がさらに増えるという話が聞こえてくる。
うますぎる話には、十分注意しなければいけないだろう。