一社員にとっての領収書の利用価値
領収書からレシートへ、という流れは社員にとっても歓迎だ。宛名を伝える手間やレジで待つ時間を考えたら、レシートのほうが楽だからだ。
ただ、いまだに頑なにレシートではなく領収書をもらってくる社員もいる。会社の経費精算ルールが「領収書とレシート、どちらでも可」なのに、あえて領収書をもらってくる社員がいるとしたら、その理由は2つ考えられる。
「1つは、最近のレシートが領収書と同じかそれ以上の効果があることを知らないから。つまり情報面で“遅れた人”といえます。もう1つは、品目や日時、人数などをごまかそうとしているから。つまり本来なら経費で落ちないお金を会社に肩代わりさせようとしている“ずるい人”です」
痛くもない腹を探られないためにも、今は「領収書お願いします」ではなく、堂々と「レシートで結構です」と言うべき時代なのだ。
(公認会計士・税理士 山田真哉=答えていただいた人 大橋昭一=図版作成)