バー、スナック、居酒屋でも大丈夫
ビジネスには接待など取引先と会食する機会が多い。ビジネスマンなら誰しも「営業のための必要経費」と考えているだろう。会食などの飲食に要した費用は、会計上は相手先や目的に応じて会議費や交際費、福利厚生費などいろいろな勘定科目に仕訳されるが、税務上、どのように取り扱うかはケースによって異なってくる。
取引先と会食するケースは、相手をいい気持ちにさせて便宜を図ってもらおうとするものが多く、税務上は交際費になる。交際費には飲食、中元歳暮、香典、ゴルフ、旅行など様々なものがあるが、この交際費は税務上、損金不算入になる経費(税務上認められない費用)である。いくらビジネスに必要な交際費であっても、税法では冗費と見なして課税されるため、会社の経理部は会食などの交際費にいい顔をしないのだ。
ところで交際費は原則として損金不算入だが、資本金1億円以下の中小企業では年間600万円までは支出額の90%を損金に算入できる。これは中小企業には少しは交際費が必要だろうという意味合いからだが、それでも10%は損金にできない。
しかし、一見交際費に思えるような支出であっても、1人あたり5000円までの飲食費など一定の要件に該当する飲食は交際費から除外でき、大企業、中小企業の別なく損金算入ができるのだ。1人あたり5000円というのは1人5000円以内ということではなく、飲食でかかった費用を参加した人数で割った金額が5000円以内になっていればいいということだ。
ただし、この5000円までの飲食費は社外の取引先との会合の場合のみであり、会社内の社員同士での会合では使えない。だが、この社外というのは、子会社でもグループ企業でも、会社が別ならOKだ。
飲食費そのものが損金算入を認められるので、居酒屋、バー、スナックでも大丈夫。ただし、キャバクラ、カラオケボックスなどは飲食するところではないので、認められない。でも1人あたり5000円というと、高級料亭とまではいかないが、ちょっとしたレストランや料理店なら十分いけるだろう。