ジェネリック医薬品市場が成長を続けている。矢野経済研究所の調査によると、2014年度の国内ジェネリック医薬品市場は前年度比109.5%の1兆1130億円だった。
その成長要因の1つが「オーソライズドジェネリック(AG)医薬品」だ。AGは、医薬品の特許を有する先発メーカーが、その子会社や提携企業に、特許切れ前の医薬品の使用権を独占的に与えて販売する、というものだ。先発医薬品の特許切れの前から180日間の独占販売が認められているため、メーカーにとっては高いシェアを獲得できるというメリットがある。
AGは、ジェネリック医薬品であるため価格は先発医薬品より安価だが、製品としては先発医薬品と同一もしくは同等だ。
AG2製品を製造・販売している日医工のIR担当者は「AGには従来のジェネリックにはないメリットがあります。先発薬の効能についての特許が残っているようなケースでは、通常のジェネリックよりAGのほうが多くの効能を持つことが可能です」と話す。
矢野経済研究所の予想では、ジェネリック医薬品市場は17年度に1兆4715億円まで成長する見込みだ。AGは、その成長を牽引していく核となるだろう。
(大橋昭一=図版作成)