少子化、高齢化が進む日本は、今後、未曽有の大量死時代に突入する。2014年の出生数は100万3532人で過去最少。一方で死亡数は戦後最多の127万3020人だ。死亡数は増え続け、ピークを迎える40年頃には40万人増の166万人に達する。
こうした中、年々増えているのが、葬儀を専門に行う葬祭会館だ。「月刊フューネラルビジネス」によると、1980年代には全国で1000軒未満であった葬祭会館は90年代以降増加し続け、14年には7739軒となっている。
背景には、少子化、核家族化に伴う住宅事情の変化による自宅葬儀の減少がある。80年代には5割以上が自宅葬儀だったが、現在は1割程度。8割以上が葬儀専門会場。
一方、葬儀自体は小規模化している。葬儀業界2位のティアの辻耕平氏は「弊社が扱う葬儀の平均参列者数は30人ほどで親族、近親者による家族葬がほとんど」と話す。そのため、会場も小規模化。「数十人規模の式場が1、2室あるだけの小さな会館が増えています」。
最近の葬祭会館の特徴は駅近、ロードサイドなどアクセスのよさ。その分、近隣への配慮から霊柩車なども、一見、そうとは見えないシンプルなデザインが増えてきた。
時代とともに変わる葬儀スタイル。未来の葬儀はどうなるだろうか。
(大橋昭一=図版作成)