プレゼンで心拍数を落ち着かせる技5

(2)場数を踏めば緊張しなくなるのか?

よく、人前で話すことに緊張しなくなるためには、場数が必要と言われます。

それは真実でしょうか? これは、YESでもありNOでもあります。

YESといえるのは、「同じような環境」で話をするケース。たとえば、朝礼での司会や、社内会議で特定の人にプレゼン。同じ場で話す機会が増えれば、どんどん緊張度は低くなっていきます。

なぜなら、相手の反応、想定される質問、話す際の自分の落ち着き度などに関する予測がしやすくなり、その場をコントロールできなくなるかもしれないという恐怖心も減少するからです。

一方、NOの場合もあります。環境や人・テーマが変われば予測不能性は高まるからです。どんなに朝礼でうまく話せても、テーマが変わると人々の反応が予測できないため不安感は高まりますし、結婚式の挨拶となれば対象者も環境も違うので緊張感は高まります。

緊張は、どんな人でも多少はするでしょう。大切なことはそれを上手にコントロールできるよう準備をすることです。場数は大切ですが、まずは「予測不能性」を低くするような対策が必要なのです。

(3)緊張をなくすための処方箋5

緊張の正体が予測不能性だとするならば、予測可能なものにすればいいのです。具体的な対策ですが、効果があるものを5つご紹介したいと思います。

[対策a]早めに大枠をつくり、リハーサルする

「(プレゼン期日までの準備が)間に合わないかも」という不安を取り除くためにも、プレゼン資料を早めにつくることです。といっても、完璧主義はかえって逆効果です。資料を完成度70%で作成し、リハーサルできる状態にしておけば、話す準備を始めることができます。

[対策b]事前のリハーサルを増やす

何と言ってもリハーサルの数を増やすことが対策として重要です。なぜなら、そのテーマで話をした時にどれくらい話せるのか、どこで話が詰まりやすいのかが具体的になると、予測不可能性・不確実性は限定的になり、対策を打つ箇所も明確になります。

つまり、リハーサルをすることで具体的に課題が見えるので不確実性が低くなり緊張が減るのです。