「まぁこれでいいか」と選んだ服、靴、鞄、何気ない「悪癖」が、知らず知らず信頼を損ねているかもしれない――。劇作家・演出家の竹内一郎さんが伝授する。

脳から遠い場所に人の本質が出る

「信頼される見た目づくり」は、服に気を使えば一丁上がり、というわけではない。

「“なくて七癖”という言葉があるように、誰にでも7つ以上の癖があります。貧乏ゆすりやため息など、癖は動きと関係しているものが多いのですが、発生源のひとつにストレスが考えられます。ストレス発散のための癖は、人から見ると、たいてい落ち着きがないものです。落ち着きがないのですから、当然、信頼される見た目からは遠くなります。変な癖は直したほうがいいですよ」

ベストセラー作家として、また大学の学部長として講演やメディアにひっぱりだこの『人は見た目が9割』の著者、竹内一郎さんだが、自身も自分の癖を必死で(!)直した経験がある。

「私の場合は、瞬き、です。瞬きは外界を遮断する行為で、瞬きの数が多いと自信がない印象を与えます。でも残念ながら、私はとても瞬きが多かった。もともと劇作家、演出家ですから、人前に出ることが少なくて、人前に出ると緊張してしまう。ですから、少しでも堂々と見えるように、意識して瞬きの数を減らしました。見た目に造詣が深いベストセラー作家としてお招きいただいているのに、自信がなさそうに話したら説得力に欠けますからね(笑)。成果が出るまで5年ほどかかったでしょうか。この話をすると、皆さん、5年もかかるのか……と落胆されるのですが、身についてしまった癖がすぐに直るわけがありません。気長に直していきましょう。まず重要なのは、自分の悪癖を意識することです」

ちなみに「よくある悪癖」とはどんなものだろうか。

「電話をガチャン! と切る。キーホルダーなどを机にガチャン! と放り投げる。ドアをガチャン! と閉める。このガチャン! は男女問わず、意外とたくさんの人がやっています。ガチャン! がなぜいけないかというと、周囲への配慮が足りていない証左だからです。ガチャン! という乱暴な振る舞いは他人に不快感を与えます。顔の表情、特にスマイルなら、私たちはわりと気をつけるんですよ。でも、脳から遠い場所にその人の本質が現れるのです。

貧乏ゆすりやペン回しは落ち着きがないうえに幼い印象まで与えます。それと、箸の持ち方、くちゃくちゃと音を立てて食べるなど、食事のマナーも気をつけたいですね。ため息は周囲の人を不安にさせるからいけません」