「姿勢」は出世にかかわる

そして、よくある悪癖は「姿勢」だ。

「私も無意識でいると姿勢が悪いのですが、姿勢が悪いと堂々と見えません。それで、私は本がヒットしてから、さまざまな場所に招よんでいただくようになり、改めて気づいたことがあります。それなりの立場にいる方は姿勢が良いのです。パーティや式典でお目にかかる大企業の部長以上の方々は、そうした場で長時間、堂々と姿勢よく座っています。場数を踏んでいるという理由も多少あるでしょうが、堂々としていられる人物だからこそ、重要な役職につけたのだと、私は考えています」

なんと! 姿勢が将来の出世にかかわっている!?

「ええ、姿勢も含めて、見た目は出世にかかわると思いますよ。それと声の押し出しは強いほうが良いです。時と場合によりけりですが、比較的大きめの声のほうが良いでしょうね。自分の声をレコーダーに吹き込んで聞くだけでも意識が変わって、改善ができますよ。人事考課の査定一覧表に“見た目”という項目は確かにありません。でも、たとえば私がどうしても予定が合わない会合に代理として誰かに行ってもらう場合、弱々しく、小者の印象を与える人は送りません。それは企業の方々も同じではないでしょうか。見た目という非言語コミュニケーションは数字にできませんが、我々は日々、人の振る舞いを評価して生きていると思います。人を束ね、率いる立場になりたいなら、信頼できそうという印象を与える見た目づくりを意識するべきですね」