「まぁこれでいいか」と選んだ服、靴、鞄、何気ない「悪癖」が、知らず知らず信頼を損ねているかもしれない――。今すぐに手を打てる外見力の磨き方を、日本初のパーソナルスタイリスト、政近準子さんが伝授する。

 女性へのアドバイスはシンプルだ。男性のスーツのようなルールが少ない女性服は「装いの格を男性に合わせる」のが適切だそう。

「男性に合わせるというと男女平等の現代社会で語弊がありますが、たとえば男性の社長がフォーマルなのに傍で支える秘書がカジュアルではちぐはぐですよね。会社の印象にもかかわります」

“良いジャケット”を着ていますか?

具体的に注意したいのは「短すぎるスカート丈」「サンダル」「生足」。

「サンダルはリゾート靴ですし、短いスカートや生足もカジュアル。ビジネスシーンにはふさわしくありません」

そして「若づくり」も御法度である。

「若々しいと若づくりはまったく違います。無理な若づくりは痛々しいだけ。痛々しく見える人が信頼されるとは思えません。また、最近の若い女性は清楚できちんとした志向です。ルーズソックスをはかず、制服もきちんと着てきた世代で“ゆるさ”がカッコイイとは必ずしも考えていません。ですから、上司の女性がカジュアルで部下の女性がフォーマル、といった逆転現象が起き始めています。ゆるいのがおしゃれ、と思っていたら、単にだらしがない先輩だ、と思われている可能性があります。気をつけていただきたいですね」

信頼できる印象を周囲に与えられれば、良い仕事を任されるようになる。その仕事をこなすうちに、実力がついていく。これぞまさに好循環である。

「ひとりよがりにならない装いは周囲の人への気遣いなのです。気遣いがある人は自然に信頼されますよね。ぜひ、積極的に服を味方につけていただきたいと思います」