成田さんは店頭に出ていた際、仕入れ先メーカーの各営業担当の直通の電話番号の一覧表をポケットに忍ばせていたという。「理由は、何か不明なことがあれば正確な情報をお客さまに伝えるためです。これはクレームでも有効で、店頭でお客さまから商品についてのクレームがあったら、すぐその場で正確な情報をお伝えするために電話をして確認ができます。もし埒が明かないようだったら、電話を渡して営業担当と直接話してもらうことで、納得していただける可能性が高くなるからです」と解説してくれた。

最後に、西出さんがお詫びを締め括る一流の行動パターンを紹介してくれた。「『申し訳ございませんでした』というマイナスイメージの言葉の繰り返しで終わると、お客さまは後味が悪くなってしまいます。そこで一流の方々は『今後ともよろしくお願いいたします』『これからもご意見をいただけますと幸いです』といったプラスイメージの言葉で終わらせて、お客さまに気持ちよく帰っていただけるようにしています」という。

クレームの電話

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クレームの電話
▼三流は……
適当な言い訳で責任逃れ

クレームの電話を受けるのは気が重いし、面倒くさい。だからといって、「お客さまの使い方が悪かったのではありませんか」とか、「いましかるべき責任者が不在でして」などと責任逃れをするのは、お詫びのマナーに反する行為だ。誠意のなさを感じ取った顧客の怒りは、ますますヒートアップするはずである。その結果、本来収まるものも収まらなくなってしまう可能性が高くなるのだ。

▼一流は……
まず顧客の不快感を受けとめる

どのようなクレームの電話であっても、顧客が不快に思っていることは事実。だったら、まずは顧客が不快に思われたことについてお詫びをする。そうすれば、「この人は私のことを理解してくれている」と感じ、次第に落ち着きを取り戻してくれるようになる。それに、あくまでも不快に感じたことに謝罪しているだけであれば、仮に悪質なクレーマーであっても、下手に揚げ足を取られる心配もなくなる。