若い世代に多い「新型栄養失調」とは何か?
年配者はほぼ完璧です。
しかし、その一方で、最近「新型栄養失調」と呼ばれる栄養不足が懸念されています。
この十数年間の国民健康栄養調査結果を見ると、1日に口に入れる食品の量はあまり変わらないのに、ビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素の摂取量が年々減っています。なぜか? これは若い人たちの問題です。
図2を見てください。若い世代(20~49歳)の栄養素摂取状況です。ビタミンやミネラル、食物繊維などの主要な栄養素18項目のうち、推奨量を上回るのはたった3項目だけ。しかも、ビタミンAは推奨量の半分以下、ビタミンDやB1、C、食物繊維は推奨量の6割にすぎません。まさに、「新型栄養失調、ここにあり!」と言えます。
ビタミンやミネラルは生きるために必須の栄養素で、食物繊維は生活習慣病の予防・改善に役立つ栄養成分です。たとえ食べる量が同じでも、「旬」の食材を積極的に食べれば、口に入る栄養量は必然的に増えてくるはず。若い人たちは特に旬に目を向け、意識して食べましょう。
▼ウォッチ[1]柿 栄養満点+風邪・二日酔い・口臭対策にもってこい!
平安時代の漢和辞書『倭名類聚鈔』にも登場するほど、柿は古くから日本人とは“深い仲”。栄養面では、ビタミンCやβカロテン(プロビタミンA)、食物繊維などが豊富です。
・ビタミンC:喉や鼻の粘膜の健康維持に役立つビタミンCは身近で手に入る果物中トップ。中くらいの柿1個(150g)でレモン果汁5個半分のビタミンCが摂れます。これは1日の推奨量を上回る量です。また、ビタミンCは二日酔いの原因となるアセトアルデヒド(アルコールの分解過程で生じる物質)の分解を助ける作用があります。ビジネスマンの皆さん、飲み過ぎたら柿です。
・βカロテン:“柿色”の元となるβカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、これもまた粘膜の健康維持に役立ちます。風邪などのウィルスは喉や鼻の粘膜から体内へ侵入するので、粘膜が乾燥せずに潤った健康な状態であればウィルスの侵入を防げます。