仕事がひと山越えたら、同僚を誘って焼き肉食べ放題。ビールもたくさん飲んで締めにラーメン……。そんな食生活は、20代で終わりにしましょう。老化の進行を遅らせるには、体の変化に合わせて食生活を調整する必要があります。
第一に意識したいのは、メタボや肥満に直結する、糖類のとりすぎを避けることです。若いころより代謝が低下していることを自覚し、白米や精製小麦、砂糖など、短時間で血糖値が上がりやすい炭水化物は控えめに。食事のときはまず野菜から食べ、炭水化物は最後にとるようにすると、食物繊維の働きで糖の吸収を緩やかにできます。
根菜類は糖質が高めですが、ビタミンやカリウム、鉄分が豊富なニンジンをはじめ、有益な栄養素を含むものが多く、適度に食べたほうがいいでしょう。
次に意識するのは、抗酸化物質を含む食品を積極的にとることです。ピーマンやニンジン、トマトなどの緑黄色野菜、淡色野菜でもキャベツやナス、ネギやニンニクなど、色や香りの強い野菜には抗酸化物質が豊富に含まれています。
逆に、酸化した油脂や、トランス脂肪酸を含む加工食品はなるべく避けましょう。多くの野菜には、ナトリウムの排出を助けるカリウム類が含まれ、高血圧の予防にも役に立ちます。
血管の健康を守るEPA(エイコサペンタエン酸)や、脳の健康を守るDHA(ドコサヘキサエン酸)を含む、青背や赤身の魚も重要です。EPAはイワシやアジ、サバなどの近海性回遊魚、DHAはマグロやカツオなどの遠洋性回遊魚に多く含まれています。また、サケにはこれらの有益な脂肪酸に加え、免疫力を高めてガンのリスクを下げる、動物性のビタミンD3が豊富です。
朝食にはできるだけいろいろなものを。果物類はもちろん、タンパク質もしっかりとってください。昼は外食なら、食材数の多い定食類がおすすめ(週に1回ぐらいなら、トンカツもOKです)。インシュリンが出にくい午後1時から2時の間に食べると、肥満を避けられます。
理想の夕食は、実は「旅館の朝ごはん」です。サケや青背の魚、卵、緑黄色野菜のおひたし、腸内環境を整える味噌汁や納豆、尿酸値を下げる海苔やもずくなど。ビタミンK2を豊富に含む納豆は、血管や骨の健康にも効果があります。睡眠中に体の自己修復機能が働くことを踏まえ、夕食にはとくに「体にいいもの」を食べるよう意識してください。