2年目にはモノトーンを基調とした雑貨ブランド「ライフスタイル」を立ち上げました。コンビニに置かれている雑貨は、突然雨が降ったときやペンを忘れたときなどに、間に合わせで買われることが多い。でも、たとえばセブンプレミアムの折り畳み傘は晴れの日でもよく売れています。商品として「あ、いいな!」と思うものを、コンビニで購入する――こうした新しいマーケットを創り出すと同時に、消費者の生活の中にブランドを浸透させていきました。
3年目に動いたセブンカフェ
そうして、3年目にセブンカフェが動き始めます。実はセブン-イレブンでは、これまでもコーヒーを提供するサービスを展開したことがありましたが、いずれもブレークはしませんでした。セブンカフェが成功したのは、コーヒーの味が向上しただけでなく、およそ2年にわたるプロジェクトでロゴやブランドイメージが消費者に浸透し、受け入れられるだけの土壌ができ上がっていたからでしょう。
いまも毎週セブン-イレブンとの定例会議をもち、食品から雑貨まで約1700商品をアップデートし続けています。
発売1年強で累計販売数7億杯を突破
2013年1月に発売。同年7月、累計販売数1億杯を突破。14年度の累計販売数は7億杯を達成。全国1万7000店以上に導入、1日1店舗当たり120杯前後の販売数で推移する(2015年9月時点)。14年10月末からは「セブンカフェ ドーナツ」を展開。15年6月よりアイスカフェラテを発売。
佐藤可士和(クリエイティブディレクター)
1965年、東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。博報堂を経て、2000年独立。同年クリエイティブスタジオ「サムライ」設立。主な仕事に国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループのブランドクリエイティブディレクションなど。受賞作多数。
1965年、東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。博報堂を経て、2000年独立。同年クリエイティブスタジオ「サムライ」設立。主な仕事に国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループのブランドクリエイティブディレクションなど。受賞作多数。
(構成=矢倉比呂 撮影=佐藤新也)