名だたる企業のブランド戦略を次々に手掛け、成長につなげてきた佐藤可士和氏。なぜ彼のクリエイティブは失敗しないのか。一流経営者たちから愛される男の勉強法には、成功のヒントが詰まっていた。
クリエイティブディレクター/アートディレクター 佐藤可士和氏
クリエイティブディレクター/アートディレクター 佐藤可士和氏

勉強とは解釈だ

僕の仕事は常にほぼ想定どおりに進行します。それはものごとを“文脈”で捉える習慣があるから。文脈というのは、言い換えると時代の流れのことです。どのような文脈の中で自分が仕事をしているのかをしっかりと理解し摑んでいれば、的外れなアウトプットをすることはないと思います。

勉強というとどうしても知識のインプットやスキルの習得に目を向けがちなのですが、僕の場合は違います。過去から現在に至るまでの文脈を読み解いて、自分なりの解釈を持つことを勉強だと捉えています。そして、その解釈をもとに未来の新しい文脈を創り出していくことが僕の仕事です。

たとえば、ユニクロのグローバル展開に向けたロゴを制作する仕事の場合、日本のカルチャーや日本のデザインが世界でどのように認識されているか、どこに位置付けられているのかという文脈を捉えようとしていました。