ただ、違法性がなくても大声で怒鳴るような行為はマナー違反。周囲との人間関係の悪化は避けられない。三井物産に23年勤めた世田谷ビジネス塾長の古川裕倫氏はこうアドバイスする。

「酒の席に限らず、部下にダメ出しする場合、『厳しいことを言うようだけれど……』といった枕詞があると、説教のトーンが抑えられます」

古川氏は飲み会では小さなノートを持参するそうだ。会話中のいい意見を記録するためだが、「メモをとることで仮に部下に対してイラッとしても冷静さを保つことができます」と言う。

「それでもうっかり飲み会で暴言をしてしまったら翌日、『実はあの日、トラブルや嫌なことがあってね……』と、フラストレーションがたまっていたことを強調し、暴言は本意でないと伝えるといいのではないでしょうか」

説教魔、パワハラ上司と思われにくい「枕詞」
(本当は「おまえ、バカヤロー」と言いたいところをぐっとおさえて)

「厳しいことを言うようだけれど……」
「繰り返しになるけれど……」
「誤解を恐れずに言うとね……」
「会社として大事にしていることだけど……」

酒の席でのうっかり暴言。翌朝かける言葉の○と×

【○】――「言い訳になってしまうけれど、記憶にないんだ」
【○】――「実は……飲み会の前に嫌なことが続いてね」
【×】――「酒の席のことだから、ま、許してよ」

※上記、古川裕倫氏への取材に基づき作成

【関連記事】
酒の席のグチはどこまで許されるか
権力を握る人は、部下とどんな飲み方をするか
「ここがおかしい! うちの上司」新人社員覆面座談会
その発言大丈夫? セクハラ、パワハラ、マタハラ……2015年、上司の禁句集
部下を思い通りに動かす「老獪」8