JAL再建の真っ最中は、コンビニでおにぎりを2つ買ってホテルで食べるような毎日だった――。サラリーマンにとっては当たり前のような光景だが、コンビニおにぎりを食べている主は稲盛和夫である。稲盛は徹底した庶民志向で知られ、本人も「お好み焼き屋さんに行き、530円の豚玉を食べて、『おいしいなあ』『しあわせやな』と言って手を合わせている」と語るほどだ。普段何を食べているのか、関係者(京セラ、JAL、盛和塾、新聞記者)に匿名を条件に取材した。
「ランチには、ビックマックとコーラを注文することが多い」
「有楽町のガード下で食べるもつ焼きが大好き。これでもかというぐらいに安いお店を選ぶと機嫌がよくなる」
「経営の神様である稲盛さんにふさわしいはずの高いレストランを選ぶとジロリと睨まれ肝を冷やした」
「京セラの東京事業所に近い有楽町の吉野家と、JAL本社に近い浜松町の吉野家の味の違いがわかるらしい」
「崎陽軒のシウマイ弁当を2個注文するらしい」
関係者は稲盛を「肉食」と語るが、稲盛は今年で83歳(2014年現在)になる。こんな食生活を続けて大丈夫だろうか。
管理栄養士の伊達友美は「基本的に口に合う食べ物がその人の体に合う食物なので、まったく問題ありません。お肉にはスタミナアップの栄養素がたっぷり含まれるので、年を重ねても精力的に活動するために必要です。脂身を除いた赤身の牛や豚肉がより◎です」という。
(文中敬称略)
(市瀬真以=撮影)