「いかに話しかけてもらいやすい空気を身にまとうか。これを心がけて継続していくことが大切です。そうしていると、毎日の意思疎通もスムーズになり、自分の企画・提案も聞いてもらえやすくなるものです」

売れっ子芸人の高橋さんは、相方以外ともユニットでコントをすることがめずらしくないという。

その打ち合わせのとき、自分が一生懸命に考えてきたネタを通したいなら、他のメンバーのアイデアも面白がることが絶対に必要だという。

「他の人のアイデアを押さえつけるのはあかん。逆に、そのアイデアが膨らむように仕向けるべきやと思います。『それええね。でも、こうしたらもっとおもろいんやないですか?』としゃべります。それから自分のネタを出したらええんちゃいますか……。そのほうが説得力もあり通りやすい。要はネガティブじゃなくてポジティブに意見を出すことやと思います」

高橋さんの話では、こうした場面では、意欲的に発言する人のほうが好まれる。というのは、それによって会話が自ずと活性化して、クリエーティブになるからだ。

「旅行の話なんかをして、空気がよくなったところでネタの打ち合わせに入っていくことも多い。そのほうがええネタを考えつきやすいんです」

他愛のない雑談が新しいアイデアにつながることもある。参加者から「あいつがいたらやりやすいな」という声が上がるようになればしめたものだ。

▼プレゼン後の作法3カ条
【1】ミーティング後に本音を聞く
【2】まったく関係のない話を始める
【3】何を言い出すのかという目で見られても気にしない
横浜市長
林文子
1946年、東京都生まれ。ホンダ、BMWなどで営業を担当。BMW東京、ダイエー、日産自動車販売などでトップを歴任。2009年より現職。『しなやかな仕事術』など著書多数。
 
日本航空社長
植木義晴
1952年、京都府生まれ。慶應義塾大学法学部を中退後、航空大学校へ。75年に卒業し、日本航空(JAL)入社。2010年、執行役員(運航担当)、12年2月、社長就任。
 
サバンナ
高橋茂雄
1976年、京都府生まれ。94年よりお笑いコンビ「サバンナ」を結成。「太鼓持ち芸人」として知られ、テレビや劇場を中心に活躍中。
 
(的野弘路=撮影)
【関連記事】
なぜ「気の合わない人」との雑談が大切か
「気づき」「気になる」メモで、手帳は十分に活用できる
上司がおしゃべり好き。相手をする時間がもったいないし、正直ストレスです
優れたリーダーが人の行動を促す「なぜか」の理念
なぜ上司と雑談できない若手が増えているのか