スキマ時間の会話をチャンスにできるか沈黙で終わるのか。仕事の成果はそんなところでも決まる。

雑談の反対が公式な発言だとすれば、その典型的な場所は会議といっていい。

そんなオフィシャルな場でも雑談を効果的に活用する余地はあるのだろうか。日本航空社長の植木氏と横浜市長の林氏によると、どうやら会議後がポイントのようだ。

重要なミーティングであればあるほど、終了してからの会話は解放感も手伝って本音が出やすくなる。

植木社長は「会議で疲れ切った後、休憩室で話していると、そこで議論に新しい視点が加わることはけっこうあります。会議では発言しにくかったことも、ほっと一息ついて、気兼ねなく話せるからでしょう」と笑いながら語る。

同じことを林市長も指摘する。事実、会議前後の時間を積極的に活用している。林市長はそこを“余白”と定義しており、それを生かすことが会議の質を高めるという。

「横浜市には18の区があり、全区の区長室と市長室をつなぐ電話会議を定期的に開いています。私は冒頭で『皆さん、毎日のお仕事お疲れさまです』と、お礼とねぎらいを兼ねて挨拶。その際、場の緊張をほぐすためにも、アイスブレークとなる雑談が必要です。最後には『今日は、私が思いつかないような意見がたくさん聞けて本当によかったです』と自分の考えをきちんと伝えます」

さらに林市長は、会議を「次回の会議は、いつ何を議題とします」と告げるだけの形式的な終わり方にしないようにも心がけている。

「議題検討が終わったら、『もうこれで終わり?』と担当者に声をかけ、『ちょっと余計なことを話していい? 先週まで美術館に出展されていた絵を見た人いる?』などと聞いたりします。そこにいる人に、何を話し出すのだと不審に思われてもいいのです」

むしろそこで、自分のざっくばらんさや好みを知ってもらったほうがいいというわけだ。そうすることで、格式張った会議でも人間臭さが伝わり、何かの際に「市長に相談してみようかな……」という雰囲気ができてくる。そうなれば、庁内のコミュニケーションはさらに取りやすくなる。