仕事以外での歓談は一体感を生み、いい仕事にも繋がる。とりわけ酒の席では無礼講だが、いきすぎた言動は命取りになる。その境界線とは。

日本航空社長の植木義晴氏が欧州便に搭乗していたころ、米アラスカ州のアンカレッジは、給油などで寄港する中継地点だった。10時間ほどの待機に備えて、個室のほかにクルールームがあり、一種のサロンのようになっていた。みんなが日本から持ち寄った簡単なオードブルをテーブルに並べて、即席の宴会がはじまることも少なくなかった。

「海外でのステイの際も、自分の部屋で睡眠をとってもいいのですが、時差の関係で夜中に目が覚めてしまうこともあり、よく機長の部屋に集まりました。ベテラン機長は、たいがい雑談のプロでした。いまでも彼らが話してくれた経験談が役立っています。いわば耳学問ですが、そういう場で教えてもらったことは一生忘れません」

異国の地で、同じ飛行機を運航するチーム仲間と共有する時間が、思わぬ効用をもたらす。歓談を通しての相互理解と一体感の醸成が、帰りのフライトのクオリティを格段に向上させるのである。当然、乗客の満足度も日本航空への評価も上がる。