W杯も世界遺産もやってくる

どうしても若手への注文は厳しくなる。試合後、三浦HCは若手の奮起を促した。

「後半になって出てきたんですけど、若い選手のがむしゃらさというか、自己主張するプレーというか、もう少しそういうことが必要かなと思う。もう1回、チャレンジャーに戻ってひたむきにやっていくのが大事だと思います」

人口3万6000人の釜石には朗報が続いている。ラグビーW杯の開催地に決まり、7月には橋野高炉跡がユネスコの世界文化遺産に指定される見通しとなっている。W杯と世界遺産。うまく持っていけば、観光客を増やし、過疎化を食い止めることができるだろう。

さらに釜石SWがTL昇格を果たせば、W杯機運を高めることにもなる。これは東北の小さなまちの壮大なる挑戦なのである。

松瀬 学(まつせ・まなぶ)●ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書に『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)、『一流コーチのコトバ』(プレジデント社)など多数。2015年4月より、早稲田大学大学院修士課程に在学中。
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