北朝鮮が、日本に多くの債務を抱えていることは、北朝鮮研究者の間ではよく知られている。すなわち、北朝鮮は日本に多くの借金を抱えているのである。しかし、拉致問題をめぐる日朝交渉があるとはいえ、北朝鮮の対日債務について問題提起されたという報道もない。しかし、この問題は、日朝交渉でいずれ浮上すると考えられる。

国際社会の冷たい視線もどこ吹く風の金正恩第一書記。(時事通信フォト=写真)

北朝鮮は、1970年代に日本企業からプラント類や各種の機械機器類などを長期延べ払いによって大量に輸入した。これは、北朝鮮の産業施設を刷新して、生産能力を高めることを目的としていた。ただし、その生産物の多くは国内消費に回ったため、外貨稼ぎにはあまり役に立たず、たちまち債務返済のための外貨不足に陥った。