新聞記事は最初から英語で書く

【三宅】日本でも英字新聞は他にもいくつかありますが、他の英字新聞との違いは何でしょうか。ジャパンタイムズの特徴などを教えてください。

大門小百合・ジャパンタイムズ執行役員。

【大門】日本国内の英字新聞の数はかなり少なくなりました。かつては邦字紙系列の英字新聞がけっこうあったのですが。現在は読売新聞が出している「The Japan News」と日本経済新聞が出している「Nikkei Asian Review」の2つが主な英字新聞だと思います。

「Nikkei Asian Review」はアジアの企業ニュースを主に取り上げています。アジアの経済情報に特化していると考えると、専門雑誌のような媒体とも言えるでしょうか。「The Japan News」は、経済だけではなく多様なジャンルのニュースが載りますが、翻訳記事が中心です。

【三宅】日本語で書かれた新聞記事の翻訳ですか。

【大門】はい、そこが少し(ジャパンタイムズと)違うかな、と思います。どうしても翻訳原稿は読みにくくなりがちなので、私たちジャパンタイムズの記者は英語で記事を書きます。

【三宅】日本語で書いたものを訳すのではなく、最初から英語で書く。

【大門】はい。あとは外国人のコラムニストもたくさん抱えている、外国人と日本人のコラボレーションで編集している、といった点でしょう。私たちは「外国人が読みたいもの、知りたいもの」をなるべく載せるようにしています。

【三宅】今や、ソーシャルネットワークやニュースまとめサイトなど、読者が情報を取得する手段は多様化しています。

【大門】紙の読者とネットの読者は(関心事などが)少し違うのですが、私たちはネットにまず記事を出す「Webファースト」を昨年7月から始めました。紙面スペースには限りがあるので、ネットで早くたくさんの記事を出すようにしています。

スペースに制限があるものの、紙面は、写真や図表などを効果的に使い、よりわかりやすく読んでもらえるように工夫をしています。記事や見出しの大きさなどで、ジャパンタイムズがそのニュースをどのように捉えているかもわかると思います。