味の素社長 伊藤雅俊氏

マヨネーズの賞味期限が記されたビニールの包装を捨ててしまうと、賞味期限がわからなくなってしまって困る、という投書がきたことがありました。普通の人なら一笑に付して、この投書はゴミ箱行きになってしまうところでしょう。包装を捨てなければいいのですから。あるいは、たった一枚の投書ではなく、もう少し投書がきたら考えようとなってしまうかもしれません。

しかし、その一枚の投書に、私はハッとなったのです。包装が邪魔に思える気持ち、包装にある賞味期限というきわめて重要な情報を残さなくてはいけないという実感に共感できたのです。そこで、お客様がどうしているのかを調査することにしました。

調査では、50%のお客様が包装をそのまま捨て、なにもしていませんでした。残る50%のうち、さらに半数の人は、包装を捨てずに最後まで使い切っていました。残りの人は、容器に黒いマジックで賞味期限を書いていました。