ビジネスで海外に行く機会も多いのですが、まったく知らない言語でも現地に3日もいれば喋れるようになります。語学はとくに学んだこともなく、むしろ苦手なのですが、追い込まれた状況になれば、必死に頭が働くということでしょうか。英語でも何語でも、その世界に放り込まれれば、人間、喋れるようになってしまうものです。
本も、私は読み返すということはしません。2回、3回と読み返すつもりで読んでいては、何回読んだところで覚えられません。「1回限り」という思いで読むから頭に入るのでしょう。
中学時代、私は担任の先生に「おまえはカンニングでもしているのじゃないか」と言われたことがあります。3年生の進路面接のときでした。5科目試験で学年トップになったんです。
私は数学と並んで物理・化学が好き。小学生の頃は雷や電気に興味があって、雷が鳴るとその方向に走り出すような子供でした。母親にはずいぶん叱られましたが、今でも原子や分子、量子、素粒子、クォークなどに関する本を好んで読みます。
でも、当時は家庭が貧しく、小学校2年のときから新聞配達その他、いろいろ家庭のために仕事をしているというわが家の事情を担任も知っていたので、「勉強している時間などないだろう。いったいいつ勉強しているのだ。カンニングでも……」ということになったわけです。教員室でも噂になったようです。ギリギリの状況で集中力を高めるという私の学び方は、すでにこのときからなのかもしれません。